ご利用者の声

ご利用者の声



株式会社ホンダユーテック
篠原 智 氏
岡野 辰雄 氏

20年以上にわたって運用していた基幹システムをAWSに刷新
保守業務から開放され、システムの可用性も向上

株式会社ホンダユーテックは、本田技研工業株式会社の100%子会社で、Hondaの中古車販売を手掛けるU-Selectの運営と、Hondaディーラー出品車のみを取り扱うオークション事業の運営を行っています。中古車オークションは、全国のHondaディーラーから集まる高品質な下取車を中心に実施しています。オークションは毎週月曜日に全国6会場を連携して開催されており、約5,800社の会員企業がリアルタイムで参加しています。

同社では、2023年8月に基幹システムのうち業務システムをこれまでのオンプレミス環境から、アマゾン ウェブ サービス(AWS)に移行しました。

「20年以上利用していたオークションシステムは、老朽化によりハードウェアの交換やOS、ソフトウェアのアップデートなどの保守業務の工数が増加していたため、AWSへの移行を決めました。システムを刷新したことで、オークション運営担当者の満足度が上がり、保守に関する業務工数がゼロになりました」(篠原氏)


篠原 智 氏
営業部 情報システム課 主任

2000年から稼働していたオークションシステムが限界に

ホンダユーテックでは、オークション事業を開始した2000年にオンプレミスのオークションシステムを導入し、改修をしながら20年以上運用してきました。

「23年間同じシステムを利用していたため、時代遅れのシステムとなっていました。利用しているOSが古く保守期限が切れていましたし、セキュリティ面でも不安がありました。要所要所で、アップデートしながら乗り越えてきましたが、システムを刷新しないと事業を止めかねないということから、2年前からシステムの入れ替えについて議論してきました」(篠原氏)

オークションシステムは、出品車両や顧客情報などのすべての情報を管理する業務系システムと、オークションを実施するセリ系システムに分かれ、セリ系システムは、業務系システムの登録データに基づいて、オークションを行います。今回、刷新したのは業務系システムになります。


オークション会場の様子

システム刷新は、数億円単位の費用がかかる大規模プロジェクトであること、会社として大規模なシステムの入れ替えが初めてだったことから、社内では慎重な議論を行いました。要件を整理し、それを元にコンペを実施し、実現するシステムを具体化していきました。

「既存システムをそのまま移行するのではなく、利用者の目線に立って、負担になっている業務を改善したり、不足している機能を追加して、より使いやすいシステムにするための機能要件や実現方式などを整理しました。経営陣からは費用対効果を求められ、そのシミュレーションをしながら価格の妥当性を伝えました。」(篠原氏)

インボイス対応のために2023年8月の切り替えが必須
開発期間が短縮されるも、移行を実施

コンペでは、要件定義にあわせて、電算システムを含む複数社から提案がありました。

「電算システムからAWSを導入している企業の話を聞きました。オークションの業務システムの知見、システムの完成度が高いという評価を聞き、電算システムの提案を採用する判断をしました。最新のオークションシステムについても詳しく、詳細な仕様を決める上でも頼りになりました」(篠原氏)

「オークションは毎週開催されており、休業は年末年始、ゴールデンウィーク、お盆のみです。業務系はセリ系と連動しているので、オークションが止まるのは絶対に阻止したいところでした。結果的に、スムーズに移行ができたので電算システムにお願いしてよかったです」(村井氏)

AWSを採用した理由は、AWSに関連するサービスの充実度と可用性だと村井氏は振り返ります。

「物理的に離れた場所のデータセンターを利用してシステム構築ができるマルチアベイラビリティーゾーン(AZ)により、一箇所に障害が発生した場合でも、稼働を継続できます。私は個人でもAWSを使っていて安定性を実感していましたし、セキュリティや監視のサービスなども網羅されているので、AWS以外の選択肢はありませんでした」(村井氏)

なお、AWSへの移行にあたって、当初開発期間は2年を想定していました。しかし、社内での要件定義に時間がかかってしまったため、1年半に短縮されました。両社のコミュニケーションを密にしながら、効率的な開発を行いました。

「旧システムは、2023年10月から始まるインボイス制度に対応できないため、8月のお盆休み期間中に移行せざるを得ない状況でした。電算システムの尽力のおかげで、予定通りのリリースができました」(篠原氏)

「開発期間が短かったため、社内の要望をとりまとめるのが大変でした。6会場ありますが、全要望は聞ききれないということで、開発プロジェクトのメンバーで決めて、承認をもらう形で進めました。良き開発パートナーと出会えて、限られた期間で移行ができたことは幸運でした」(岡野氏)

システムのリリース後は1ヶ月ほど、6会場すべてに電算システムの担当者を配備し、オークション業務担当者は実業務を通して、操作方法を身に着けていきました。

「システムは変わっても、業務は大きくは変わらないため、業務担当者には実業務を通して新システムを習得してもらいました。1ヶ月で寄せられる質問が90%減少するなど、すぐに定着しました。一方で実際に運用してみて、想定外の処理があることがわかり、急遽電算システムに追加対応してもらった機能もあります」(村井氏)


岡野 辰雄 氏
営業部 オークション流通課 主任

利用者の8割が新システムに満足。セリ系システムも2年後の刷新を目指す

移行して1ヶ月半後に、システムを利用する担当者にアンケート調査を実施しました。

「全体として、7−8割は移行して良かった、旧システムよりも良くなったという回答でした。評価された点として、これまで3-4つの操作が必要だった業務が1つの操作で済むようになったこと、1つの画面で車両の詳細情報まで確認できるようになったことなどがあります。お客様からお問い合わせを受けた場合でも、以前よりも早く該当の取引情報にアクセスできるようになり、迅速に対応できるようになりました。ペーパーレス化も進んでいます。アンケート結果でわかった改善点については、順次改修していく予定です」(篠原氏)

移行して半年以上が経ち、管理者としてはハードウェアの保守業務がなくなったことにメリットを感じています。


「これまでは人がシステムの状態をモニタリングして障害予報が出たら、ハードウェアを交換していました。クラウド環境になったので、我々が対応するべきハードウェアのトラブル対応はゼロです。電算システムが、AWS Cloud Watch を利用して、AWSリソースをモニタリングしているので安心です」(村井氏)

「旧システムでは、DR(災害復旧)環境を九州に置いていましたが、実際に切り替えにどれくらい時間がかかるのかは不明で、可用性を維持できるのか不安がありました。現在は、マルチAZなので、一箇所に問題があった場合でも別の場所で処理できるので安心です。バックアップ、データ同期などもAWSサービスを利用しており、作業軽減できています」(篠原氏)

「AWS WAF(AWS Firewall Manager、AWS CloudTrail(操作ログ)などのサービスを利用することで、別途専用システムを導入することなく、セキュリティを担保できているので安心です」(岡野氏)

今年度から、オンプレミスで稼働中のセリ系システムのAWSへの移行を進めており、2年後のリリースを見据えています。

「クラウドネイティブならではの新しいセリサービスを実現したいです。AWS と連携できるコンテンツ配信システムの Amazon CloudFront を使えば、車両の動画配信も可能なので、オークション参加者に提供できる情報量が増え、利便性を高められると期待しています」(村井氏)





カスタマープロフィール:株式会社ホンダユーテック

創業: 1992年2月
資本金:4億8千万円(本田技研工業株式会社連結子会社)
従業員数: 176名(2023年4月1日現在)
事業内容:ホンダオートオークションの運営、中古車直販拠点によるHonda四輪中古車販売、上記取扱車両の点検、修理、整備ならびに関連部品、用品類の販売、レンタカー事業、自動車保険代理業
URL:https://www.honda-uc.com/

AWS 導入後の効果と今後の展開

  • 20年以上利用したオンプレミス環境からの脱却
  • AWS移行にあわせてシステムを刷新
  • 業務効率化によりユーザー満足度80%
  • 2年後のセリ系システムの移行を目指す

AWS Advanced Tier Service Partner

株式会社電算システム
電算システムは独立系の IT 企業として、システムの提案から設計・開発、ハード調達、運用保守まですべてをワンストップサービスで提供しています。AWS につきましても、「AWS Solution Provider Program」を締結し、幅広いソリューションを提供し、お客様のクラウドシフト、クラウドファースト、DX 推進を支援します。

ご利用中の主なサービス

  • Amazon S3
  • Amazon Aurora
  • AWS Firewall Manager
  • AWS CloudTrail


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