ご利用者の声

ご利用者の声


アニコム損害保険株式会社
中島 康寿 氏

ペット保険の保険金請求業務を15%削減
可用性、セキュリティ、処理性能にも大満足

アニコム損害保険株式会社は、15年連続シェアNo.1※1のペット保険商品「どうぶつ健保」を提供しています。全国6,900以上※2の動物病院で、「どうぶつ健康保険証」を提示すればその場で保険金請求が完了する『窓口精算』が可能といった、利便性の高さが評価されています。犬・猫はもちろん、うさぎ、フェレット、鳥を含む15種類のペットが契約可能で、サポートサービスも充実しています。

※1:シェアは、各社の2009~2023年の契約件数から算出。
  (株)富士経済発行「ペット関連市場マーケティング総覧」調査
※2:2024年6月末時点

窓口での保険金精算に対応していない動物病院の場合は、保険契約者自身が後日、保険金請求を行う必要があります。この請求方法として、2024年5月にオンラインでの申請の対応を開始しました。システムは可用性を重視してAWSで構築しています。

「システムをリリースして3ヶ月で、すでに請求件数の20%がシステム経由となりました。保険金の査定部門の業務が15%削減されたという効果が出ており、大成功のプロジェクトと評価しています」
 
システム開発部 部長
中島 康寿氏
 

申請書類を回覧しながら保険金査定業務を実施
内容確認に時間がかかり、ペーパーレス化に舵を切る

アニコム損保のペット保険の場合、約6割の契約者が実際に保険を利用しています。さらに1契約者あたりの年間の保険金請求件数が平均1.7件と、自動車保険や火災保険などほかの保険種目と比較して請求件数が多いという特性があります。契約動物病院の場合は、窓口で保険金を差し引いて精算することができますが、それ以外の動物病院での診療は契約者が全額支払いをした後に、保険金を請求するというフローになっています。

もともと契約者からの保険金請求は、主に郵送で受け付けていました。その数は、毎月およそ2万件。1件ごとに、郵便物を開封する、分類する、内容をシステムに登録する、査定する、査定内容を検証するという業務が発生しており、複数人のスタッフが申請書類を回覧しながら各業務を行い、完了後は申請書を保管する必要があります。

同社でWebシステムの開発を担当する中島氏は「書類による保険金請求の場合、申請書を紛失できないので、スタッフは細心の注意で取り扱いますが、それでも紛失のリスクはあります。他にも、手書き文字が読めなかったり、記載漏れなどの不備があったりすれば、ご契約者に問い合わせをして、確認する必要がありました」と課題を話します。

申請書は本社に郵送されるため、支店やリモートワークのスタッフに分担できないという課題もありました。

「書類による保険金請求をなくしペーパーレス化することが我々のミッションです。システム化すれば、書類の紛失リスク、記載内容の不備が減りますし、保険請求業務の効率化にもなります。保険金請求のシステム化については、会社の方針にもマッチしており、早急に対応するべきプロジェクトとして動き出しました」(中島氏)

システムは可用性を重視
加えて、継続的なアップデートができることも要件に

システム構築をするにあたって最も重視したことが可用性でした。中島氏は「24時間365日保険金請求の受付をするので、システムが停止することなく稼働する必要があります。システムを冗長化して、障害が発生してもシームレスに移行できる必要がありました」と話します。

それに加えて、強固なセキュリティ、インフラの拡張が容易であること、ソースコードや環境設定ファイルなどの資材管理が容易であることも要件となりました。

さらに中島氏は「システムはリリースしたら終わりというわけではありません。お客様のニーズや環境の変化に合わせてアップデートしていく必要があります。継続的な改良ができることが重要でした」と要件を説明します。

CI/CD(Continuous Integration(継続的インテグレーション)/ Continuous Delivery(継続的デリバリー)環境構築のために利用される AWS Code サービス群は、ソースコード管理、テスト、ビルド、そしてデプロイを柔軟に行いながら継続的な更新ができるため、要件にマッチしました。

なお、電算システムとは2017年からパートナー関係にあります。事例として紹介したアニコム パフェでの動物病院のカルテ管理システム「アニレセクラウド」の構築はその始まりであり、以後郵送による保険金請求のデータを登録するシステム、飼い主向けアプリ「aniLife(アニライフ)」などの開発を担当してきました。

「AWS構築の経験が豊富で、以前からアニコムグループのシステム構築や保守を依頼させていただいており信頼関係があったので、今回もお願いすることとしました。ペット保険に関する業務理解が深く、安心してお任せすることができます」(中島氏)

可用性を重視したシステム構成
運用管理に必要なツールがそろっている AWS の強みを活かして設計に

可用性を重視し、システム構成図は次のようになっています。


フロントのコンテンツ配信ネットワークは、Amazon CloudFront を採用し、パフォーマンス、セキュリティ、デベロッパーの利便性を確保しています。バックエンドは、オーケストレーションサービスである Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS)  を基盤とし、サーバレスコンテナ実行環境である AWS Fargate を採用しています。そして、データベースは、Amazon Aurora を導入し、データ量が増大しても素早く処理できるようにしました。

「AWS でなかったら、WAF(Web Application Firewall)、ログ監視、リソース監視などの管理機能を1つずつ選定して導入する必要がありますが、 AWS では必要な管理機能がそろっていて組み合わせられるので、構築が容易です。セキュリティ、可用性を重視した構成になっており、満足しています」(中島氏)

リリース3ヶ月で、請求件数の20%がシステム経由
すでに15%の業務削減効果を実感

新規システムの構築にあたっては「ご契約者が簡単に保険請求できること、わかりやすいことにこだわりました」と中島氏は言います。

そこで、入力項目のバリデーションルールの設定や、画面内の注意書きなどにこだわりました。「バリデーションルールは開発が始まってから、追加要件として依頼したものもあります。CI/CDで要件変更にも柔軟に対応してもらいました」と振り返ります。要件定義におよそ3ヶ月、開発に2ヶ月、追加要件の対応に3ヶ月ほどかけて、2024年5月にリリースしました。

「ご契約者の保険契約情報と連動して、請求可能なパターンにあわせて画面が表示されます。これにより、保険金を請求できないのに申請してしまう不要な手間をご契約者にかけることがなくなりました」(中島氏)

2024年8月時点で、システム経由の請求は1ヶ月あたり約3,750件です。書類の請求件数のうちおよそ20%がオンライン化されたことになります。

「ご契約者からはマイページから保険金の請求ができるようになったので、便利になったという声があります。保険の査定部門からは、請求の不備件数が減り確認業務が削減できた、書類の紛失リスクがなくなったと聞いています。およそ15%の業務削減効果があり、支店やテレワークのスタッフも査定に対応でき、業務分散ができるようになりました」(中島氏)

新システムでは、管理コンソールからリソースモニタリング、エラーメッセージ確認ができ、稼働状況をリアルタイムで確認できることに安心感があるとのこと。「リリース直後は、電算システムの担当者が目視でもログ監視を行い、不具合がないか見守り対応をしていました。リリース直後から不具合なくシステムが安定稼働しており、処理性能も早いです」と評価しています。

「AWS は従量課金制なので、コストパフォーマンスがよいですし、負荷が急増したら自動でスケールアップするので繁忙期も安心です。社内ではまだまだオンプレミスの古いシステムが稼働しているので、これから順番に AWS にリニューアルしていく予定です」と中島氏は今後の展望について語りました。



カスタマープロフィール:アニコム損害保険株式会社

創業: 2008年1月10日
資本金: 6,550百万円
従業員数: 509名(2024年3月末現在)
事業内容:ペット保険事業
URL: https://www.anicom-sompo.co.jp/

AWS 導入後の効果と今後の展開

  • 可用性、セキュリティの高いシステムを構築し、安定稼働
  • 保険金査定の業務を15%削減
  • 毎月の利用件数のうち、20%がシステムを利用
  • その他のオンプレミスのシステムも AWS に移行したい

AWS アドバンストティアサービスパートナー

株式会社電算システム
電算システムは独立系の IT 企業として、システムの提案から設計・開発、ハード調達、運用保守まですべてをワンストップサービスで提供しています。AWS につきましても、「AWS Solution Provider Program」 を締結し、幅広いソリューションを提供し、お客様のクラウドシフト、クラウドファースト、DX 推進を支援します。

ご利用中の主なサービス

  • Amazon ECS(AWS Fargate)
  • Amazon Aurora
  • Amazon CloudFront
  • Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)


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